藤巻健史

 

藤巻 vs 黒田の不毛な戦い

「オオカミおじいさん」こと藤巻健史参院議員が14日の参議院予算委員会で黒田日銀総裁に噛みついた。
すでに年中行事となったが、黒田総裁の答弁はいつものように本質論を欠くものに終始した。


もちろん、国債の信認が失われたようなことがあれば、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC)を低位に安定させることは困難になると思う。
現状は、国債の信認が確保されている下で、日本銀行がYCCで長期金利を低位に安定させているということだと思います。

藤巻議員が

「日銀の国債買入れが政府の財政規律を失わせているのではないか」

と尋ねたことに対する黒田総裁の答弁だ。
質問に正面から答えることもなく、何の実りももたらさない回答ではないか。
まだ

《国債の信認がなくなっても、最後の1円まで日銀が買い切るので、利回りは低位にとどまります》

と言った方がはるかに良かった。

黒田総裁は今日も、出口を具体的に検討するのは時期尚早との決まり文句を繰り返していた。

もちろん、日銀が出口を語れないのは理由のないことではない
しかし、日銀の発する言葉の無理が日に日に目立ってきている。
森友問題での政府の詭弁が日に日に行き詰っていったのを彷彿とさせる。


日銀はすでに年間の国債発行額の約3/4を買い入れ、その保有残高は名目GDPと同規模だ。
藤巻議員は、出口局面で日銀のバランスシートが逆ざやに陥ると予想する。
一方、黒田総裁は、出口では保有する国債の利回りも高まるからと防戦する。
それでいて、日銀保有の国債の平均残存期間が7年であると答えている。
(仮に分布が対称なら)7年経ってもまだ半分の超低利回り国債(一部分はマイナス金利)が手もとに残る計算だ。
(実際には分布は非対称だから、半分よりは少なくてすむだろう。)
出口を具体的に検討するのは時期尚早などと言っている場合ではないだろう。

日銀という、かつて日本の金融界が誇っていた中央銀行の品格が地に落ちて久しい。
大昔の話をするなら、大蔵省検査(今の金融庁検査)は理不尽なプロセスだったが、日銀考査は極めてリズナブルなプロセスだった。
紳士の考査官がやってきて、理に適った考査をする。
だから、市中銀行の方も、今日予算委員会で語られたような無意味な言い訳などしなかった。
無意味な言い訳は無意味であり、落第に至るだけだからだ。
日銀考査をされていた考査官の皆さんは、今この日銀の状態をどう見ておられるのだろう。

旧世代の銀行員、藤巻議員は1998年の資金運用部ショックにも言及している。

「(国債発行額が)76.4兆円で(大蔵省)資金運用部が引き受けていたのが15.2兆円だから、約20%しか買っていなかった。
20%しか買っていなかった資金運用部が国債購入をやめると言っただけで、マーケットに激震が走った。
・・・75%買っている日銀がやめると言ったら、金利は高騰してしまうと思うが、いかがか。」


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