佐々木融氏:円は反落基調へ

JP Morganの佐々木融氏が、円安予想をしている。
同社では、米長期金利上昇でも米企業収益に対して強気の見方をとっており、当面リスク・オンになりやすいと滲ませている。


今後、年度末、新年度に向けては、海外勢の興味も本邦投資家がどの程度為替リスクをとって外債投資を行うのかという点にシフトしてくる可能性もあり、円は反落基調に入っていく公算が大きいと考える。

佐々木氏がReutersへの寄稿で、円安を一応の結論として提示している。
ここで言う円安とはあくまで円安であって、必ずしも円安ドル高を意味しない点に注意したい。

佐々木氏と言えば、多くの為替予想者の予想の幅の中で円高寄りの予想をするとの印象が強い。
それは事実なのだが、米ドル安が進んだ昨年あたりからは実は円安を予想してきている。
実際11月時点でもドル安・円安によるレンジ相場を予想している。
その点で、今回の円安は方向転換ではない。

短期的な話なら2月は円安ではなく円高の月だった。
佐々木氏は、世界市場の混乱、日銀の早期正常化懸念、米保護主義、北朝鮮問題など、円高の要因がいくつもあったとし、いずれの要因もすでに落ち着き始めていると指摘している。
佐々木氏は、円安シナリオのリスク要因として2点を挙げる:


  • 米関税: 輸入額全体にしめる割合がわずか3%と、目先のリスク・オンにさらに悪影響を与えるほどではない。
  • 森友問題による政局の流動化: 「政治絡みの悪いニュースに反応して、円が買われる局面もあるかもしれないが、影響は短期的、かつ限定的なものにとどまるとみている。」

佐々木氏はこうしたリスク要因を跳ね返すだけの材料が米国に存在すると言う。
米経済の好調に象徴される世界経済の活況である。

「直近2月の米ISM製造業景気指数、米コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は今回の景気拡大局面での最高レベルを更新し、新規失業保険申請件数は2月最終週に最低レベルを更新しており、当社のグローバル株式リサーチ・チームは、長期金利が上昇していても、企業収益に対しては強気である。 」

世界経済の活況は国内投資家にリスク・オンを促し、円安要因となる。
米ドルもまた調達側の通貨となることが多いので、リスク・オンはドル安を連想させる。
今回、佐々木氏はドル相場に言及していないが、少なくともクロス円は円安になりやすいものと考えておけばいいのだろう。
さらに、米企業収益に強気でよいならば、景気サイクルの終期ではあるものの、もうしばらく米国株に強気でもいいのかもしれない。


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