ビル・グロス:金利急騰はない

昨日、米労働省が発表した2月の雇用統計について債券王ビル・グロス氏がコメントしている。
先月市場を混乱させた金利上昇懸念を打ち消す内容になっている。


すごい雇用統計の見出しも賃金の数字で控えめになってしまうだろう。

グロス氏はBloombergで2月の雇用統計にコメントした。
グロス氏によれば、全体として順調な雇用の改善は、足元の政策の結果というよりはこの2-3年のトレンドだろうと言う。

9日発表の2月の米雇用統計は

  • 非農業部門就業者数: 前月比313千人増(市場予想は200千人増)
  • 平均時給: 前年同月比2.6%増(前月比0.2%ポイント鈍化)
  • 失業率: 4.1%(前月と同じ)

であった。
非農業部門就業者数こそ2016年7月以来の高水準となったが、平均時給の伸びは先月から0.2%ポイント鈍化している。
前月の平均受給の(前年同月比)2.8%増(当初公表時2.9%増)の伸びこそ、市場にインフレ加速予想を高めた一因であった。
これが落ち着いてきている。
さらに、前月の数字が昨年末の減税法案通過を反映したものでないとすれば、市場のインフレ昂進懸念は和らぐかもしれない。

「私は長期金利は3%に達すると思う。
しかし、今の3%前後(現在は2.87%だが)の状態は年内6-9か月続くと思う。
これもFRBの行動いかんによる。」


グロス氏は以前から緩やかな金利上昇を予想している。
米長期金利が3%に達すると経済への悪影響が無視できなくなるとし、金利上昇が緩やかになるよう誘導されるはずとの見通しだった。

こうした観点からグロス氏は、年内のFRB利上げは3-4回ではなく2-3回にとどまると予想する。

一日の終わり、おそらく(利上げ)サイクルの終わりではFF金利は市場予想の2.5-3%ではなく2-2.25%にとどまるだろう。
だから、2.87%の10年金利は2.5-3%のFF金利ではなく2-2.25%のFF金利と相性がいいだろう。

イールド・カーブを逆ざや化させないことを前提とした逆算である。

グロス氏は今もジャンク債をショートしていると明かしている。
スプレッドがあまりにも小さく、急激ではないが拡大が見込まれるからだ。

グロス氏は、現時点の環境がリスク資産にとって総じて有利であることを認めている。
その一方で、信用力の劣る発行体の中には金利上昇の影響を受け始めたところも出てきており、警戒を怠るべきでないとも述べている。


 - 投資, 海外経済 , ,