加藤出氏:低金利なら何でもいい政府

東短リサーチの加藤出氏が、リフレ派理論にも「総括的検証」が必要と書いている。
漫然と異次元緩和が継続する現状に危機感を示したものだ。


『2年間というのは、2年後の春、つまり、2015年の春の消費者物価の上昇率2%ということを目標とされる。
そして、最高の責任の取り方としては、職を懸けるということでよろしいですね』
と聞かれた岩田氏は
『それで結構でございます』
と明言した。

2013年の岩田規久男 日銀副総裁の衆議院での有名な発言を加藤氏は週刊ダイヤモンドでリマインドしている。
その後2%目標の達成時期は先延ばしされ、いまだ見通しがついたとは言いがたい。
しかし、岩田副総裁はみごとに約束の2年の2.5倍にあたる5年の任期を全うされたのである。
加藤氏は5年前の「職を懸ける」との意思表示を「男気」と一面評価しているが、まさか政策決定者の評価を男気だけで下すわけにもいくまい。


言い訳のつかない失敗

ちなみに、リフレ派の中には異次元緩和という壮大な社会実験について、十分な緩和が行われていないから目標が達成できないという人がいる。
現在の政策委員の中で追加緩和を主張される人もそうした1人だろう。
しかし、岩田副総裁に限って言えば、この主張はあたらない。
加藤氏は、副総裁が就任の前年に著した本の中で、必要なマネタリーベースを162兆円以下と書いていることを紹介する。
現在のマネタリーベースは470兆円を超えており、言い訳のつかない状況だ。
(すでに三党合意があった中で異次元緩和はスタートしており、消費増税のせいにするなどは、さらに笑止千万だ。)

岩田副総裁が辞任しなかった話が幾度となく繰り返されるのには理由がある。
岩田副総裁を含むリフレ派の何人かが、白川総裁時代までの日銀をやや常軌を逸する言語を用いて批判してきたからだ。
ところが、安倍政権以来リフレ派が勝利し、立場が逆になると、約束した結果を出せないばかりか、将来の禍根のタネをどんどん積み上げてしまった。
まさに、人を呪わば穴二つである。

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