バフェット:金融商品を買うな、事業を買え

オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏が、投資家としての株式の見方について語っている。
先述のCNBCインタビュー続報。


「VIXのポジションをとっていた人たちの考えはギャンブルだった。
投資ではなかった。」

バフェット氏は、2月の株価急落の一因となったCBOEボラティリティ指数(VIX)についてコメントした。
何もVIXの意義を認めていないわけではない。
世の中には特殊なイベントが起こる可能性が常にあるとし、そうした場合に役立つ金融商品があってもいいと言う。
VIXをロングしておけば、ボラティリティ急騰時の保険になる。
そうした意義は確かに存在する。
しかし、それが逆に危機の引き金になる可能性もなくはない。

「VIXの動きにレバレッジをかけたインデックスを買うのは投資ではなかった。
必要な投資ではなかった。」

ただ単に価格が変動するものと見てVIXが売り買いされていた。
実需でないギャンブルが膨らんでいたことが、市場を不安定にした原因だった。
ここにバフェット氏の投資に対する考えが現れている。
バフェット氏は、投資家が投資対象、とりわけ株式をどう見るべきか、興味深い話をしている。

もしもあなたが農場やアパートを所有するように株式を所有すれば、毎日・毎週市場価格をチェックすることはないだろう。
あなたは(株価でなく)事業を見ることになる。

バフェット氏にすれば、株式は金融商品というより事業そのものなのだ。
そうした見方こそ、投機と投資を分けるものだ。
バフェット氏はビットコイン等仮想通貨にも言及し「何も生み出すことのない資産に目をやるな」と話している。


一般投資家にとって、保有株式を事業と見るのはやや違和感があるかもしれない。
それは、保有する持分が全体のごく一部にすぎないからだろう。
しかし、よく考えてみれば、バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイも多くの保有銘柄でマイノリティ投資となっている。
バフェット氏はその種明かしもしている。

「事業全体を買うのに比べて(一部の株式を買うのは)投資家にとって安く買うチャンスだ。
(それでも)投資家が株式を事業の一部と考えることさえできれば、価格が変動するつまらないものと見るよりうまくいくだろう。」

投資家が株式を事業と見るなら、株価の考え方も決まってくる。
そして、投資家の仕事も決まってくる。

「株式とは何だろう?
(長期国債と)似たようなものだ。
無数の利札がついているが、まだ金額が印刷されていないんだ。
その数字を書き込むことこそ投資家としてのあなたの仕事なんだ。」

バフェット氏によれば、投資家の仕事とは株式=事業の毎年の利益がどうなるか判断することだという。
毎年の利益が決まれば、それを物差しと比べるのだと言う。
ここでの物差しは長期国債だ。
物差しより優れていれば魅力は高いし、劣っていれば魅力も劣る。

バフェット氏は米金利の低下局面の始まった1982-83年を振り返る。
当時の長期金利は約15%。
企業が15%の利益を出していてもパーの価値(簿価)と評価された。
(バフェット氏は、さまざまな前提の下でマーケット・リスク・プレミアムを考慮しない株価評価をすることが知られている。)
それから35年かけて米金利は低下してきた。

「今は米国債が3%利回りで事業が12%稼いでおり、これはすごい事業だ。
だからこそとてもすばらしい価格で売れるんだ。」


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