バフェット:長期投資では債券は株式より「高リスク」

バークシャー・ハザウェイのアニュアル・レポート続編。
オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏が、債券投資のリスクについて語っている。


投資とは、後日、より多くの消費を可能にするために今日の消費を繰り延べる営みである。
『リスク』とは、この目的が達せられない確率だ。

バフェット氏が株式と債券の相対的魅力を論じるため「リスク」という言葉を再定義している。
バフェット氏の定義は、より普通の人たちの感覚に合ったものだ。
一方で、ファイナンス理論で用いる《リスク》とは異なる意味を持っている。
だからこそバフェット氏はわざわざ再定義したのであり、その後の議論を「この基準によれば」と断った上で展開している。

ここでは、復習を兼ねてバフェット氏のリスクとファイナンス理論のリスクを対照しながら、バフェット氏の主張を紹介しよう。
ちなみに、ファイナンス理論で単に《リスク》と言えば、σリスク(これが最近はやりのボラティリティだ)・βリスクにみられるように概ね上下対称の《ぶれ》のことを指している。
一方で、バフェット氏のリスクは、一般用語と同じように、下方にのみ存在する《ぶれ》である。


長期債は高リスク

「この基準によれば2012年の『リスクフリー』と称する長期債は普通株への長期投資と比べてはるかに高リスクだったことになる。
この頃、仮に2012年から2017年までのインフレが年率1%だったとしても・・・米国債の購買力は減ったことになる。」

米国債がσやβにおいて高リスクとなることはない。
米国債は世界一格付の高いソブリンであり、実際この間デフォルトしていない。
だからこそ「リスクフリー」と呼ばれている。
一方、バフェット氏の基準によれば、購買力を悪化させるか、あるいはそう期待できるかがリスクの大小を決める。
2012年から5年間投資する上で、米国債と米国株のいずれが期待リターンが高かったかと言えば資本資産価格モデルが教えるとおり、米国株ということになる。
米国株は米国債に対してマーケット・リスク・プレミアム(×β)の分、高いリターンが期待され、実際、高いリターンを上げた。

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