佐々木融氏:株・為替・金利に関する3つの謎

JP Morganの佐々木融氏が、株・為替・金利に関する3つの謎を解き明かしている。
市場参加者は染みついた条件反射を見直しておいた方がよさそうだ。


そもそも日経平均株価とドル円相場の強い正の相関関係が続いたのは、過去10年程度でしかなく、かつテクニカルな要因もかなり影響していた可能性が高い。

佐々木氏がReutersへの寄稿で、日本株とドル円相場の相関についての迷信を指摘している。
瞬時に判断することを要求されるトレーダーはこうした迷信に十分注意すべきだ。
レベルの低いストラテジスト、エコノミスト、アナリスト、評論家の類は、自論に都合のいい期間だけを切り取っていい加減なことを言う。
自論があたかもこの世の真理であるかのように話すのだが、あと1年データを遡ればまるで違う結論になる場合も多い。

佐々木氏は寄稿で3つの謎を挙げそれに対する仮説を提示している。
その3つを読み解き、検証しておこう。

Q1. 円高でも日本株が反発

佐々木氏は最近の為替と日本株の動きに注目する。
先週15-16日、日経平均は2日で2.7%上昇したが、この間、円は独歩高だった。
20日には、その逆が起こった。
これは、円安・株高という連想とは逆の現象だ。
佐々木氏は2つの仮説を提起している:

  • 内需産業の収益改善により、企業収益が円安に依存しなくなっている。
  • 円は歴史的な割安水準にあり、海外投資家が為替ヘッジせず日本株を買っている可能性がある。

円が割安水準にあるかどうかは、円の実質実効為替レートを見ればよい。


円の実質実効為替レート
円の実質実効為替レート

今より円安だったのは、まだ異次元緩和が猛烈に効いていた頃だ。
その再来が予想しにくくなった今、海外投資家にとっての円安リスクは大きくないのだろう。

「今後も日経平均株価と円相場の間に相関があるとの前提に立たない方が良いとも言えるだろう。
むしろ、海外投資家が日本株を買うと円高圧力が強まると見始めた方が良いのかもしれない。」

日経平均(青、左)とドル円(赤、右)
日経平均(青、左)とドル円(赤、右)

データは雄弁だ。
日経平均とドル円が連動しているように見えるのは高々2004年以降。
それより前は、むしろ逆方向に動いていることがはっきりと見て取れる。

(次ページ: 110-112円に回帰か?)


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