ピーター・シフ

 

ピーター・シフ:放漫財政の帰結

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、次のインフレ上昇時に起こることを予想している。
今後、インフレ・ヘッジ手段としての金投資が見直されてくるだろうと言う。


「共和党は、民主党を『財政に責任を持つ党』に変えてしまった。
・・・
(共和党予算案が)最も茶番なのは、今後10年途絶えることなく米経済が平均3%で成長すると仮定していることだ。
現在の景気拡大はすでに9年目に入っている。
これは史上2-3番目の長さであり、今年継続するだけでも史上最長になる。
あと10年続くなら(過去最長の)ほぼ倍になる。」

シフ氏がPodcastで米政治に嘲笑を浴びせている。
かつて共和党から上院議員を目指したこともあったシフ氏だが、現在の大統領府と共和党の政治にはただただ嗤うばかりだ。
減税と歳出増を実施する裏で、愚かしいほど楽観的な経済見通しを立てている。
そうした見通しを立てないと財源が得られないからだ。
しかし、シフ氏によれば、仮にあと10年3%成長が続いたとしても財政はバランスしないと言い切る。

「民主党のビル・クリントンは財政を均衡させ、すばらしい経済をブッシュ(Jr)に渡した。
ブッシュは財政赤字を増やし、経済をおかしくした。
そこに民主党(オバマ)がやってきて、さらに赤字を増やし、経済を刺激した。
そして今、すばらしい経済をトランプに渡し、トランプはブッシュと全く同じことをしている。
経済を破壊し、大金持ちや金持ちで貪欲な企業のために減税し、財政に大穴を開けた。」

シフ氏によれば、共和党は財政面でのタカ派ではなく、偽善者にすぎないと言う。
政治家は本音と180度逆のことを建前にしているとし、今や共和党は民主党に、民主党は社会党に変貌したと嘆いている。

「米国は今、大きな政府を求める大きな潮流に乗ろうとしている。
これはインフレでファイナンスされ、大規模な財政赤字でファイナンスされる。」


シフ氏は、おかしくなった米政治の帰結が財政悪化とインフレであると予想している。
1月の消費者物価指数が前月比で0.5%と大きかったのは1つの表れだと言う。
シフ氏はインフレが上昇トレンドに入ったとし、単月での0.5%上昇を「恐ろしい」と評している。
そして、この数字が発表された時に米ドルが売られた点について解説している。

「市場参加者は、インフレ上昇がFRB利上げを意味すると考えた。
仮に利上げしても、インフレを止めることはないだろう。
FRBはもっと前に積極的に利上げすべきだった。
インフレが高まる前に積極的に利上げすべきだったのに、そうしなかった。」

米利上げは確かにドル高要因ではあるが、利上げの結果インフレが収まらなないならインフレというドル安要因も居座ることになる。
そしてついにシフ氏の商売に関するトピックになる。

「しかし、もちろん(インフレは)金にとって順風だ。
金はインフレ・ヘッジに役立つ。」

金価格(青、左)とCPI総合(赤、右)
金価格(青、左)とCPI総合(赤、右)

ただし、インフレ上昇が金にプラスというのは市場のコンセンサスとは言えない。
シフ氏にはもう一つの捻りがあるのだ。

「インフレ上昇は金にプラスだ。
インフレを抑え込むには、米国が支払うことのできる金利よりも高くまで利上げする必要がある。」

つまり、財政面での制約から、FRBはこの先のインフレ上昇を利上げで抑制できなくなると読んでいるのだ。
この帰結は高インフレの継続とドル安であろう。


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