
エラリアン:急落の背景にある10の事実
独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、Bloombergで近時の株式市場急落について知るべき10の事実を列挙している。
その中で混乱が長く続く理由を端的に指摘している。
エラリアン氏が列挙した10の事実は次の通り:
- 急落はファンダメンタルズによるものではなくテクニカル要因によるものだ。
経済・企業のファンダメンタルズは悪化していない。 - 今回の急落は本質的に不安定。
何が主因か同定しにくいため、市場の不安が続く。 - 分散投資ではリスク軽減できない。
国債など従来の安全資産が安全ではない。 - 急落の後には極めて特別な期間が訪れる。
極端な低ボラティリティ、一本調子の上げの後の急落である。 - 急落は、ボラティリティのショート・ポジションの巻き戻しとして起きた。
主戦場を離れたところでレバレッジをかけていた投資家が大きな痛手を被った。 - 米国内だけではなく世界的な動き。
世界経済は成長率・インフレの上昇を示唆している。 - 急落は投資家の環境変化をもたらす。
今後押し目買いの意欲が大きく減る可能性がある。 - 急落が経済・企業のファンダメンタルズに波及する可能性は低い。
経済は強く、企業の財務体質は堅固。 - FRBの金融政策正常化の妨げにはならない。
FRB高官のコメントにも表れている。 - 調整は苦しいものだが、長い目で見れば市場を健全にする。
投資家に本質を思い出させてくれる。
エラリアン氏は、今回の急落が流動性相場からの脱却につながりうると指摘する。
結果、資産価格とファンダメンタルズのギャップを縮小してくれると期待している。