レイ・ダリオ:無視できる小さな調整

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、連日の株価下落を「小さな調整にすぎない」と評した。
ダリオ氏はこのところの大幅下落も、長く大きな上昇過程から見れば取るに足りないものと見ている。

「成長と賃金の上昇は、財政刺激策とアニマル・スピリットの盛り上がりにより、経済が(景気)サイクル終期の供給能力の制約に追い込まれたためだ。
これが、FRBの引き締め加速の予想につながった。
換言すれば、財政刺激策がガソリンに点火し、経済を供給能力の制約に追い込み、金利上昇の引き金となり、まず市場、次に経済のブレーキを踏んだんだ。」


ダリオ氏が米市場の下落の構造を自身のSNSで書いている。
アトランタ連銀のGDPNowは今年第1四半期の実質成長率を5.4%に上方修正し、1月の米雇用統計の平均時給(前年比)は2.9%と2009年以来のいい数字だ。
市場はこの数字に喜ぶ一方、FRBが金融引き締めを速めるとの「もっともな恐怖」を抱いた。
長く続いたゴルディロックスは景気が加速する形で終わるのではないかと推測したのだ。
ダリオ氏は、こうした環境によって今後FRBが正しい金融政策を実施するのが難しくなると予想する。


「これは典型的な(景気)サイクル終期の現象だ。
ただし、資産のデュレーションがいつになく長いため、今回の現象も大きくなった。
資産価格は、高金利の時より低金利の時の方が金利変動により敏感になる。」

ここで早合点をしてはいけない。
ダリオ氏は何も素早く手仕舞えと言っているわけではない。
今回の下落が自身の予想より早くやってきた点を認め、その分いっそう買いで応じるべきと示唆している。

これら大きな下落も、スコープの中では小さな調整にすぎない。
押し目買いに向かう待機資金が莫大な金額存在する。
次に起こることこそ最も重要だ。
上記のように、最近の価格下落は、より大きく長い期間の絵の文脈では、注目にも当たらないものだ。

ダリオ氏は先月「市場は噴き上がる」と予想している。
「キャッシュを抱えたままなら、後でひどく愚かだったと感じることになる」と話している。
ダリオ氏は、コア・インフレが高まらない限り、FRBが資産価格高騰を許容すると読んでいるのだ。
そのコア・インフレについては、構造要因によって上がらない可能性があると考えている。
もしも、こうした読みが当たるなら、米国では急激な信用創造が起こり、消費者物価を残して資産価格が上昇を続けることになる。
果たして、史上最高のヘッジ・ファンド・マネージャーの読みは当たるのだろうか。

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