グリーンスパンがピーター・シフに送った手紙

ビーター・シフ氏が30年前のブラック・マンデー直後のことを回想している。
UC Berkeleyを卒業し、金融界でキャリアをスタートしたばかりだった若きシフ氏は、アラン・グリーンスパンFRB議長(当時)と手紙のやり取りをしたのだという。


「当時、私はアラン・グリーンスパンの大ファンだった。
・・・
私はグリーンスパンの危機(ブラック・マンデー)に対する対応を見ていてとても驚いた。」

シフ氏はTheStreetのインタビューでそう語った。
グリーンスパン議長はそれまでの発言・著述とは異なり、バブル崩壊に対して金融緩和で助け舟を出したからだ。
シフ氏がグリーンスパン議長に疑問を持った瞬間であった。
そして、その疑問はグリーンスパン議長との手紙のやり取りで批判へと変わる。
シフ氏は、グリーンスパン議長からの署名入り返信を2通保管しており、それを自身のウェブサイトで公開している。
(残念ながら、シフ氏からの発信分のコピーは残っていない。)
1枚目は社交儀礼的な中身のない手紙だった。
しかし、2枚目にはグリーンスパン議長個人の意見表明が見て取れる。


1987年12月2日

米経済が直面するリスクについてのあなたの意見を知らせて下さったこと改めて感謝します。

私自身は、経済の歪みを正す方法として不況の運命を受け入れるより、こうした歪みを作った問題に立ち向かい、それを解決するよう努力すべきと信じています。
ここでカギとなるのは、連邦政府の赤字財政を制御することです。
継続的に赤字削減が実現するような保証を与えるような形で、下院が速やかに最近の合意を法制化することが必要です。

その間、FRBは持続性のある、インフレを生まない経済成長と両立しうる金融環境を醸成する責務を負うことになります。

シフ氏はこの手紙から2つのポイントを読み取っている。

  • 理論上は市場の調整が望ましいとしても、現実にはFRBは危機対応を放棄することはできない。
  • FRBが緩和的スタンスから解放されるには、国の財政再建が要件になる。

言うまでもなく、問題は後者にある。

(次ページ: 金融緩和が財政悪化を招く)


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