加藤出氏:経済復活の1丁目1番地

東短リサーチの加藤出氏は、FRB・ECBが金融市場正常化に取り組む間に、日銀も金融政策を引き締め側に微調整すべきと説いている。
仮に景気後退期が訪れ欧米が金融緩和に転じた場合、日銀には打つ手がほとんど残っていないためだ。


「まず、10年金利を最大で50ベーシスポイント(bp)程度まで徐々に引き上げていく。
その後で、可能であればマイナスの短期金利を修正できればよいと思う。」

加藤氏はReutersのインタビューで、イールド・カーブをやや持ち上げておくよう説いている。
現在の水準では地域金融機関の収益が圧迫され、肝心の金融仲介機能を阻害していると見られるためだ。
金融緩和の効果を得る上で金融仲介機能は極めて重要であり、金融機関が貸出を行いやすいイールド・カーブを確保してやる必要がある。


さらに、世界経済に景気後退期が訪れると日本は窮地に立たされる可能性がある。
欧米が金融政策正常化から再び緩和へと転じれば、ドル安・ユーロ安の要因となる。
日本経済は景気停滞期に円高に苦しみかねない。
その時まで現状のイールド・カーブを続ければ、日銀が追加緩和で対処できる余地は限られてしまう。
現状でも金融仲介機能が危うい状況にあるのに、それより引き下げるなら(為替には円安要因かもしれないが)実体経済にはマイナスが大きくなろう。

さて、加藤氏のインタビューの圧巻は次の発言だ。

4年半の非伝統的金融緩和をやってみて分かったことは、物価は必ずしも貨幣的現象ではないこと。
デフレ脱却が日本経済復活の1丁目1番地でもないことだ。


1文目は浜田宏一教授も言っていることであり、再度説明するまでもなかろう。
問題は、デフレ脱却の位置づけだ。
これについては、世界中でまだ総括がついていないようにみえる。

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