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ビットコイン長者向けローンの危うさ

ビットコイン長者の悩みの解決策が広まり始めているのだという。
ビットコインを担保としたローンがそれなのだが、その構図にはかつてのある資産バブルを連想させる危うさがある。


ほとんどタダに近い費用で仮想通貨を手に入れ、急騰を目の当たりにしている(初期のビットコイン)投資家が、手にした財産を享受する方法は一つしかない。
ビットコインを売ることだ。
でも、多くは心の準備がついていない。

ビットコイン長者の窮状とその回避法をBloombergが伝えている。
ビットコインは、10日のCBOEへの先物上場も無難に消化し、上げ相場がすぐさま崩れる気配は見られない。
こうした中で、高額のビットコインを保有する初期の投資家の多くが、まだ売り時ではないと考えていてもおかしくはない。
BTC/USD推移(1年)
この指数関数的上昇が投資家を悩ますのは売り時だけではないだろう。
売却益に対する課税も大きな問題であるはずだ。
ただし、節税についての解決策はわかりやすい。
悪名高いタックス・ヘイブンを使えばいいのだ。
「ビットコインのイエス・キリスト」と呼ばれるRoger Ver氏は国籍を米国からセントクリストファー・ネイビスに変えている。
BTC/USD推移(1か月)
タックス・ヘイブンを使うほどでもないと思う投資家でも、想定される売却益が大きくなれば、せめて課税時期を繰り延べたいとの思いはあるだろう。
そこで売る以外の方法が考えられている。
ビットコインを担保としたローンである。


このローン業務を行うSalt Lendingによれば、ローン金額(ドル)の倍程度の時価のビットコインの担保、年12-20%の金利がローン条件になるという。
この金利は無担保個人ローンと同等であることから、ビットコイン担保は金利条件のためではなくローン金額を増やすためのものだとBloombergは指摘している。
なぜ、多くの金額を借りなければならないのか。
この点は特にマイナーその他のビットコイン関連業者にとって重要なのだという。
こうした人たちは設備、電気代、人件費などの支払いのためにドルを必要としており、ここに大きな需要が見込まれている。

これほどボラティリティの高い資産を担保にローンを出すのだからたいした度胸だ。
もちろん銀行はこうした業務から距離を置いている。
ローン金額の倍のビットコインを担保にとっても、ビットコインが半値になれば担保割れが始まってしまう。
今ビットコイン価格が半値を割るような下落を始めても、驚く人はさほど多くないだろう。

さらに恐ろしいのは、ビットコイン価格が下落する時、マイナーにしても何にしても、ビットコインに関わる人の利益水準が大きく低下すると予想されることだ。
担保価値が下落するだけでなく、そのキャッシュフローも悪化する。
まさに不動産バブルに似た構図である。
返済のためのキャッシュフローの源泉と担保が連動してしまう場合、系にはレバレッジ上昇のリスクが及ぶ。
日本のバブル期の不動産関連ローンもしかり、サブプライム・ローン危機前のMBS・証券化商品もしかりだ。

ビットコインの世界、投資する人や事業をする人だけでなく、お金をつける人もかなりのリスク愛好者であるようだ。
あるローン会社は、このローン商品のオペレーションにブロックチェーン技術を応用しようと考えているらしい。
ブロックチェーンはすべてを正当化するとでも言いたげな話ではないか。


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