バイロン・ウィーンによる「2018年の10のサプライズ」

Blackstone Advisory Partnersが、Byron R. Wien氏による1986年以来33年目となる恒例の「10のサプライズ」を顧客に送った。
低インフレ・低金利の時代が終わり、普通のインフレ・普通の金利の時代に入ることが予想されている。


ここでの「サプライズ」の定義は「平均的な投資家は1/3程度の確率でしか起こらないと考えているが、ウィーン氏は1/2超の確率で起こると信じている事象」とされている。
今年のサプライズにはさして《サプライズ感》がないように感じるが、いかがだろう。

以下が骨子:


  1. 中国が北朝鮮の核武装を許容できなくなる。
    核開発は停止しても既存の武器庫を放棄しない北朝鮮に対し、燃料・食料の供給を断つ。
  2. ポピュリズム、民族主義、無政府主義が世界に蔓延する。
    コービンが英首相になり、カタルーニャは混乱のまま。
    Brexitで欧州大陸の協力は強まり、経済成長が加速する。
  3. ドルがついに息を吹き返す。
    3%超の米経済成長とトランポノミクスで、ドル建て資産の人気が高まるほか、レパトリ減税が助けに。
    ユーロ/ドルは1.10、ドル円は120円へ。
  4. 米経済は改善するも、投機の行き過ぎからS&P 500は10%調整し2,300へ。
    調整後は上昇に転じ、企業業績の拡大と4%に迫る経済成長により年末には3,000を超す。
  5. WTI原油価格が80ドル超え。
  6. インフレが懸念事項に。
    世界の経済成長がコモディティ価格を押し上げ、先進国のタイトな労働市場は賃上げ圧力をもたらす。
    米平均時給上昇率は4%に近づき、CPI上昇率は3%を超える。
  7. インフレ上昇にともない、金利も上昇し始める。
    FRBは年内に4回利上げし、米10年債利回りは4%へ。
    FRBのバランスシート縮小は極めてゆっくり行われる。
    ハイイールド債のスプレッドが拡大、株式市場の不安材料に。
  8. NAFTAとイラン合意が生き残り、トランプ大統領のTPP批判がやむ。
    中国のプレゼンス拡大に対抗し、アジアでの2国間交渉が推進される。
  9. 11月の中間選挙がトランプ政権への支持を問う国民投票となり、共和党が上下両院で過半数を失う。
    国民は大統領の公約が実現しないことに落胆し、ツイートに反発を強める。
  10. 中国の習首席が債務問題に本腰を入れ、経済や雇用の減速を覚悟した上で事業借入の制限に踏み切る。
    中国の実質GDPは5.5%に落ち込むが、世界経済への影響は少ない。

ウィーン氏の読みは、ついに米経済がインフレ上昇・金利上昇の段階に入るというもの。
インフレは善から悪へと変わり、金利上昇要因となる。
資産の生み出すリターンが上昇しない限り、資産価格にはマイナス要因となる。

(次ページ: さらに6つのサプライズの種)


ページ:  1 2

 - 投資 , , , ,