
デニス・ガートマン:金利低下しか知らない市場
コモディティ王デニス・ガートマン氏が投資について語ったインタビューの続々報。(1、2)
不透明な将来に備えるポートフォリオの配分法が提案されている。
「今の人のほとんどは金利低下しか見て来ておらず、それしか知らない。
私のように灰色の髭をたくわえ
『君は何を知っているんだ。
私は債券のクーポンが14%だった頃を覚えている。』
と言える人はほとんどいない。」
ガートマン氏はWealth Managementのインタビューで、市場参加者のほとんどが金利低下しか知らない状況を危ぶんだ。
超長期の金利低下サイクルは実に35年に及んだ。
ガートマン氏は、金利が二桁だった頃を回想し、当時は別世界だったとつぶやいた。
市場参加者は過去の歴史を振り返り、今何が起こり始めているのかを考えるべきと説いた。
ガートマン氏は、新興国債券についても否定的な見方を示した。
「米国内より国外のほうが本質的により困難があり、よりサプライズになりやすいと考えている。
もしも、海外の債券ファンドに大きな流入があるなら、今後2、3、4年のうちにより大きな流出が起こると思う。 」
投資家の中にはリスク・オフを進めたい人も多い。
しかし一方、世界中で前例のない金融緩和が行われている。
これら金融緩和が目標とするインフレを本当に引き起こすなら、債券や現金を持つのも理屈に合わない。
それでもガートマン氏は、キャッシュ・ポジションを増やすよう勧める。
「常にいくらか現金を持つべきだ。
過去数年と比べて、おそらく現在はより多くの現金を持つべきだろう。
かつてないほど株高なのだから。」
具体的には、市場に投資している金額の1/4、1/3にあたる現金を持っておくとよいという。
リスク資産への投資を継続するならば、インフレへの備えになる。
デフレになるなら、手元の現金や債券が生きるだろう。
「そう遠くない将来キャッシュはキングになる。」
いつもは強気が目立つガートマン氏だが、今はそうでもないようだ。
リスク資産へのエクスポージャーを減らすよう勧めている。
出来上がりのポートフォリオの適正配分として
- 現金: 25–30%
- コモディティ: 5–10%
- 金: 5–10%
- 残りを株式
を提案している。
ガートマン氏はいつになく慎重だ。
しかし、それでも株式に半分以上を配分するよう考えている。