ジェレミー・グランサム

 

ジェレミー・グランサム:今回は違う

大手投資会社GMOの共同創業者Jeremy Grantham氏が、現在の市場がバブルではないと繰り返した。
そう考えるに至った理由と、遠い将来について話した。


苦悩の2-3年の後
『This time is different.』(今回は違う。)
と理解したんだ。

バブルの研究家としても知られるバリュー投資家 グランサム氏はWSJに話した。
「今回は違う」はバブルを正当化するときの常套句だ。

2015年グランサム氏は、S&P 500が2,250まで上昇するとバブル崩壊の危機にさらされると予想していた。
ところが現在、S&Pはそのラインを1割以上も上回っているが、依然として高値を追い続けている。
今年に入るとグランサム氏の考えは変化する。
現状にバブルの特徴は見られず、その終わり方も崩壊といったものではなく、徐々に萎んでいくような形になるだろうと予想を変更したのだ。
結果、年金・保険などにとって重要な20年のホライズンで、米国株の実質リターンは2.8%にとどまるだろうという。

この予想変更にはいくつかの材料があった。


  • 市場の熱狂が見られない
  • 1998年の前後で市場に変容があったこと
  • ITバブル・リーマン危機を通してFRBが市場を救済せざるをえないと学んだこと
  • 企業の高い利益率が持続していること

一方で、グランサム氏は「バリュエーションが20年以上の期間をかけて中央回帰する」との信念を捨てていない。
以前には戻らないとの見方に対しては、時間がかかっても元に戻ると信じている。
それが、徐々に萎んでいく予想につながるのだ。

英国人のグランサム氏が珍しく米国の資本主義について語っている。
ステレオ・タイプな米国観と異なる部分があり興味深い。

「米国流の資本主義は道を見失っている。
かつては社会契約がうまく機能していた。
企業は従業員の面倒をみた。」

79歳の老投資家の記憶では、古き良き米企業は家族主義だったのだ。
ところが大手年金基金が力を持ち企業へのプレッシャーをかけるようになると、生き残るCEOの報酬は莫大に跳ね上がった。
それは株高への報酬である。


「ケインズ、シュンペーター、言うまでもなくマルクスは、企業や資本主義とは本来、単純に可能であるために行き過ぎるものだと考えた。
企業は力とカネを得るために利用できるものを利用する。
企業の分け前は増え、社会を後退させる。
いつかは巻き戻しが起こるはずだ。」


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