
エラリアン:マイナス金利の社会実験は失敗した
かつてIMFでも業績を積んだ独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、日欧のマイナス金利政策という社会実験は失敗したと断じた。
今後の金融緩和は、量的緩和に重点が回帰すると予想している。
エラリアン氏は、日欧の中央銀行がマイナス金利について誤った判断をしたと悔やむ。
「日欧はマイナス金利を採用すべきではなかったが、そうしてしまった。
政策決定者は今、メリットよりコラテラル・ダメージ(巻き添え被害)がいかに大きかったか痛感しているはずだ。」
マイナス金利のメリットは、貯蓄が消費・投資に回ることであった。
しかし、効果は期待されたほどには得られなかった。
それどころが、「直観と逆の結果」を引き起こしたという。
「人々は貯蓄を増やしたのだ。
金融システムの劣化が始まっている。」
エラリアン氏は、政策の失敗を中央銀行が認めたがらないことを承知している。
一方で、マイナス金利の功罪が定まらない中で、深掘りもしにくいと読む。
エラリアン氏は、今後の日欧の金融政策は量的緩和中心になると読んでいる。
「中央銀行はまだあきらめていない。
しかし、深追いはしないだろう。
かわりに量的緩和を強化するはずだ。」